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“チームRWBY” 早見沙織、日笠陽子、嶋村 侑、小清水亜美 登壇
『RWBY』10周年記念!ベストエピソード上映会&トークショー開催!

2013年7月に配信がスタートし、2023年にシリーズ開始から10年を迎えたCGアニメーション『RWBY』。日本でも2015年に日本語吹き替え版のDVD&Blu-rayの発売を皮切りに高い支持を得てきた。そして、2024年4月13日に日本語吹き替え版メインキャストを迎える形で「『RWBY』10周年記念! ベストエピソード上映会&トークショー」が東京・新宿ピカデリーにて開催された。シリーズを愛し続けてきたファンが詰めかけ、満員御礼となったベストエピソード上映後のトークショーの様子をお届けしよう。

トークイベントは、各キャラクターのイメージカラーを意識した衣装をまとったルビー役の早見沙織さん、ワイス役の日笠陽子さん、ブレイク役の嶋村 侑さん、ヤン役の小清水亜美さんの4人と司会の森 遥香さんが登壇。早見さんの登壇の挨拶から、ルビーの決め台詞「チームRWBY!」のひと言でトークイベントがスタート。

登壇挨拶の後、Volume 9の劇中でブレイクとヤンがカップルとなったことを踏まえて、嶋村さんから小清水さんにブレイクからヤンへの思いを込めたイラストがプレゼントされたと報告が。「ふたりのためだけのイラストを公表しちゃうの?」と劇中で仲良くするブレイクとヤンのように、嶋村さんと小清水さんがイチャつく様子に、早見さんが「私たちも見たいよ〜」とツッコみ会場は笑いに包まれた。

すっかり会場の空気が温まった中で、最初のトークの話題は、『RWBY』が10周年を迎えた感想について。

嶋村さんが「まさかこんなに長く『RWBY』をやると思っていなかったよね?」と振ると、日笠さんが「こんなに長くなるなら最初に言ってって(笑)。ワイスはすごく声を高く作っちゃったから」と振り返る。そこから4人とも「最初はVolume 1だけだと思っていた」という話から、「Volume 2、3とあって。その後は怒濤のごとく続いていって嬉しかった」とシリーズの盛り上がりに喜んでいたと語った。さらに、近年のスーパーマンやワンダーウーマンなどのDCコミックスのスーパーヒーローチーム「ジャスティス・リーグ」とのクロスオーバーや日本国内で制作された『RWBY 氷雪帝国』、ゲームの発売などにも触れ、「『RWBY』の世界がどんどん広がっていって。これもファンの皆さんの応援のおかげです」と息の合ったクロストークを交えながら4人で感謝の言葉をファンに贈る。4人を代表するように日笠さんは「世界が広がると共に、こんな素敵な作品に関わらせてもらっていることを実感した10年間でしたね」と語った。

収録の思い出として付け加える形で小清水さんは、「シリーズを重ねるごとに、時間が長くなって、台本もどんどん分厚くなり、さらには2冊に分かれるくらいになった」と物語がより重厚になっていった経緯を実感するエピソードを披露。

続いての話題は、Volume 1から最新作となるVolume 9までの110話からファン投票で選ばれてスクリーンで上映された上位7エピソードに対しての感想。

まず話題となった7位は、ブレイクとヤンにとっては因縁の相手であるアダムとの決着が付けられるエピソード「Volume 6 Episode 12 Seeing Red:赫怒(かくど)」。アダムに対して小清水さんは「当時アイツには、ここでは言えないような言葉で罵っていましたよ(笑)」と当時の思いを語りつつ、「でも、いまやね〜(笑)。勝ったのはわ・た・し・た・ち!」と嶋村さんと声を揃えて一緒にニッコリ。「結果的には、私たちの関係を深めてくれたアダムさんですから」と、アダムに勝利したことで、ブレイクとヤンが恋人同士になるきっかけになったことを感謝しているといった様子だった。繋がる形で、Volume 3のヤンが右腕を失うエピソードなども思い出し、早見さんは「あの時は、今後どうなるのかなと思いました。懐かしいな〜」としみじみと語った。

ランキング全体を見た感想として、日笠さんは「わりとピュラ人気を感じます」と、Volume 3のラストで非業の死を遂げたピュラについて語ると、小清水さんも「この作品で一番のいい女はピュラだよ」と断言。「最初から精神性の高さを感じましたからね」と早見さんもピュラを絶賛。日笠さんも「ピュラの死は序盤だったので衝撃が強かったですね。メインメンバーがいなくなるの?」とストーリー展開の描き方へのショックを語った。

ランキングのもうひとつの感想として、日笠さんは「みなさんは、各Volumeの最終話が印象に残っている感じですね」と分析。早見さんは「“続きも気になる!”という期待感も含めて選ばれたのかもしれないですね」と最終話人気の印象について推察した。

続いての話題は、登壇キャストのベストエピソードについて。

小清水さんが選んだベストエピソードは、Volume 2 Episode 6「Burning the Candle:無茶振り」の中のブレイクとヤンがプチ喧嘩風に考えを言い合うシーン。このエピソードを選んだ理由について小清水さんは、「他にもいろいろあるんだけど、ヤンとブレイクの関係はここから始まったなという思いがすごく深くて。妹のルビーには妹だからこそ言えない気持ち、ワイスにも言えなかった気持ちをブレイクになら言える。ヤンが言えばブレイクも自分の話をすることができるんじゃないか……そういったヤンの感覚的なところが出ていると思ったんですよね」と語る。それに対して嶋村さんも「ヤンがブレイクにすごく歩み寄ってくれたんだよね。Volume 1でブレイクは対ワイスだったけど、Volume 2からはヤンとの関係に変化があって。これを見たら“10年経ったんだな”って思った。改めて関係性が変わったんだなって」としみじみと振り返り、Volume 9で深まったふたりの関係性を踏まえると「こういのを振り返るのもいいね」と小清水さんと嶋村さんのふたりで盛り上がった。

嶋村さんが選んだベストエピソードは、まさに物語の始まりとなるVolume 1 Episode 1 「Ruby Rose :ルビー・ローズ」。このエピソードを選んだ理由について嶋村さんは「やっぱり、『RWBY』という作品のイメージはこれなんですよね。その後CGがすごく綺麗になっていくんだけど、やっぱりこの頃の『RWBY』のバランスがずっと私たちの中に流れているというか。110話ある中で1番と言われたら、ここに帰ってきちゃうんですよね。アクションの速さもすごくて、あの時のときめきが自分の中でベストエピソード的になっているんだと思います」と語った。

日笠さんが選んだベストエピソードはVolume 1 Episode 9「The Badge and The Burden :導く者、支える者」での、ワイスがピーター・ポート教授に足りないものを諭されるシーン。このエピソードとシーンを選んだ日笠さんは「ルビーと最初に出会ったワイスはものすごくツンツンしていて、そのツンツンは今は影も形もないんですが(笑)。“THE ツンデレ”と代名詞になってしまうくらい“ツン”が凄かった時に、ワイスは“私の方が優秀なのに、なんで私が選ばれないんだろう”という憤りだったり、うまくいかない葛藤を持っていて。それを大人の先生という目線の方から諭される。それで響いたものがあったからワイスはここから変わっていく。変わっていく始まりという感じがして。こうして先生だったりいい仲間と出会うことで、ワイスの心の氷が溶けていく姿の始まりがこのエピソードには込められているなと思いました」とその理由を語った。

そして、早見さんが選んだベストエピソードはVolume 1 Episode 2「The Shining Beacon : 栄光のビーコン」のルビーが本を読むブレイクに話しかけてヒーローの話をするシーン。このエピソードとシーンを選んだ早見さんは「私もVolume 1が印象深くて。最初にみんなと交流を持とうとして、ブレイクに本の話を持ちかけるシーンがあったんですよね。最初はブレイクもツンツンしていたじゃないですか。その態度に対してヤンは引こうとする。そこで本の話をきっかけにルビーがグイッとブレイクに話しかけていって。自分が子供の頃からヒーローに憧れていたというセリフや“みんなハッピーならいいじゃん”と言って、ヒーローとして人を守って、救っていきたいというルビーの純粋な思いがすでにこの時点であって。私は、ここでの純粋な思いを大事にしたいなってアフレコの時に思ったんです。さらにプラスして、ここからルビー自身もとても悲しい出来事に遭ったり、傷つかざるを得ないこと、立ち向かわざるを得ない出来事がどんどん出てくるんだけど、ここの純粋な思いを絶やさずに来ているルビーの強さもそうですし、純真さもそうだし。そうした部分がすごく胸に来て」と、このシーンがルビーを演じる心情に大きく影響があったことを語った。さらに、ここから、初期に描かれたビーコンアカデミーでの短い学園生活の思い出について4人で大いに盛り上がった。当時の学園生活での描写の楽しさを語り合った後「あそこから、Volume 9まで来たんだなって思いますね」と早見さんが言うと、日笠さんは「いつかこの頃に帰ってきたいってちょっと思うね」と話す。嶋村さんが「この後にみんなが離れている時間が長かったから、その間もこの学園の状況を胸に頑張るというのがあったよね」と語れば、小清水さんは「この頃にしかしていない各キャラクターの表情があるので、最後にまたその顔を見せてほしいね」とそれぞれの思い出を通して、『RWBY』の原点である学園生活へと思いを馳せた。

続いての話題は、ジャスティス・リーグとのクロスオーバームービー『スーパーヒーロー&ハンターズ』をはじめ、『RWBY』ではいくつかのサイドストーリーが描かれてきたことを踏まえ、キャストのみなさんが見てみたいサイドストーリーについて。

この質問対して小清水さんは、「いろんなキャラクターのコメディ要素が見たい」と応えると、早見さんが「本当にそう思います」と食い気味に反応。嶋村さんは、Volume 3で描かれたヴァイタル・フェスティバルのトーナメント戦に参加した数多くの他のチームのキャラクターとの話があると楽しそうだと語った。日笠さんは「ヤンとブレイクがイチャイチャしているのを見ていたら羨ましくなったので、我々の恋愛エピソードも欲しい」と希望。そこから、ワイスは劇中で恋愛エピソードがちょっとあったのに対し、ルビーには何も無かったという話題で盛り上がった。早見さんは「『氷雪帝国』はVolumeとVolumeの間のエピソードという感じだったので、もっと各Volumeの間にいろんな話があったと思うんです。同じように掘ろうと思えばいくらでもありますよね。そこが見たいかもしれないです」と希望を語った。

ここで、アメリカから『RWBY』のショウランナー、ディレクターを務めるケリー・ショウクロスさんからのビデオメッセージが公開。

「皆さんこんにちは!RWBYの総指揮をしています、ケリー・ショウクロスです。『RWBY』の10周年をお祝いするために集まってくれてありがとうございます!

お気に入りのエピソードを選ぶように言われているのですが…ちょっと難しいので(笑)

もしよければ、いくつかご紹介しますね。

最初のエピソードはVolume 1 Episode 5の「Players and Pieces」です。特に、チームRWBYとネヴァーモア(巨大な鳥型のグリム)との闘いのシーンです。時間が経った今でも、これまで手掛けてきたアニメーションの中で特に私のお気に入りですし、『氷雪帝国』でリメイクされたものを見ることができるのもポイントです。

次のお気に入りは、Volume 6 Episode 3の「The Lost Fable」ですね。これまで長い間私たちが抱えてきた、『RWBY』の世界における秘密の伝承について描いている部分なので、「皆さんにやっと公開できる!」という気持ちがありましたし、皆さんの反応や、面白がってくれる様子を見るのがとてもワクワクしました。

最後のお気に入りシーンは、Volume 6 Episode 1「A place of Particular Concern」です。私が自分で脚本を書き、監督した最後のエピソードで、本当に楽しく素晴らしい体験でした。

これまで『RWBY』を見たり、応援したりしてくださっている日本のファンの皆さん一人ひとりに感謝を伝えたいです。この作品はもちろん日本のアニメに大きく影響を受けているので、それが巡って日本のファンに応援してもらっていることを本当に誇らしく思います。

沙織さん、陽子さん、侑さん、亜美さんをはじめ『RWBY』制作に関わったすべての人に感謝しています。作品に命を吹き込んでくれて、本当にありがとう。

スタジオ閉鎖のニュースについてですが、この素晴らしいキャラクターたちの物語が止まらないよう模索しています。『RWBY』に命が吹き込まれてから10年以上が経ち、ここで終わせたくないと思っています。近いうちにいいニュースをお伝えできるよう願っています。

本当にありがとうございます」

『RWBY』を制作していたスタジオ「ルースター・ティース・プロダクションズ」の閉鎖が決定し、今後の『RWBY』の続編制作がどうなるのかが気になるなかでのメッセージであり、ケリーさんからの前向きな言葉は、会場のファンとキャスト陣に希望が持てる朗報と言えるものだった。

このメッセージを受けて早見さんから「3月のアニメジャパンにケリーさんがプライベートでいらしていて、たまたまその時に楽屋でご挨拶をさせていただいて。日本で『RWBY』を応援してくれているファンに大きな感謝を伝えたいとその時もお話されていました。それに対して、我々も気合いを入れてアフレコをやっていますという話をして。嬉しかったですね」とケリーさんと直接お会いした印象が語られた。

盛り上がったイベントもあっという間に終演の時間に。最後は各キャストからのメッセージで締めくくられた。。

小清水「すいません。イベントを通して、最後までただただブレイクとイチャイチャしてしまった時間になってしまいました(笑)。こうして『RWBY』を愛して、応援してくださっている皆さんの前でイチャイチャを披露できてとっても幸せな気持ちでいっぱいです。この先もこうやって、みんなの前にヤンとして 出られるように祈っているし、応援しているし、お客様の中に億万長者はいらっしゃいませんか?(笑)と思っています。ですので、今後も変わらず『RWBY』を応援していただけたら嬉しいです。ありがとうございました」。

嶋村「“もしかしたら、私たちもこうしてイチャイチャできるのは今日で最後かもね”って言いながらここに入ってきて、さっきのメッセージを見て、私ももの凄く心が救われる気持ちで。みなさんもきっとそうなんじゃないかなって思います。私も応援しているし、本当に最後まで駆け抜けたいよね。また、チームRWBYでこんな風にみなさんにお会い出来ることを祈っています」。

日笠「この『RWBY』が始まった初期の頃なんですが、その時に劇場公開がされて。その時に私たち4人もこのような形でトークをするためにステージに立たせていただきました。その頃は、私たちも現地での人気というのをちゃんとわかっていないところがあったんですが、登壇して会場がお客様で埋め尽くされているのを見て、“すごい人気で、こうして観に来ていただいて、応援している方がたくさんいる作品で、もの凄く愛を感じる”という話をトークイベントが終わったあとに4人でしたのを覚えていて。こうして10年後に、この場所で同じ光景を4人で見ているというのが、すごく嬉しいです。なので、また10年後にここでみんなに会いたいなって思いました。10年後にもVolume 19とか20とか、最後まで描いていただいて、みんなに会いたいなと思っております」。

早見「先ほどの投票でのランキングを見ても、いろんなみなさんの各話に対する愛情が、あの表だけでも感じられて。愛する思いを短い時間でギュギュっと話せたのではないかと思います。ここまで10周年。歩んでこれたのも応援してくださる皆様のおかげだと思っています。これからも、私もいち視聴者として本当に続きが観たいと思っています」。

続編に込めた熱いメッセージを伝えたあと、早見さんから会場にいるファンの皆さんに対して、「さっき、私はひとり“チームRWBY!”をやってしまったので、みんなでやりたいです」と提案。。

登壇者4人で「チーム、RWBY!」と声を出し、来場者が「イェーイ!」と大きな合いの手を入れ、最後には会場が一体となる形で10周年を記念したトークイベントの幕が閉じた。